ChatGPTからのアクセスは、アクセス解析で正しく数えられているのか 10月9日から出どころ付きのリンクは98%から66%へ
- アクセス解析に出るChatGPTからの訪問数は、実際より少なく出ています。10月8日には出典のある回答の約98%が出どころの印の付いたリンクを含んでいましたが、10月9日には75%、10月14日には66%まで下がりました。
- 印が外れたのは、ChatGPTが画面の中で操作できる部品を交えた新しい表示形式で答え始めたためで、その形式の回答は10月8日の2%から10月14日の約35%に増えています。印のないリンクから来た人は、アクセス解析では「直接」の訪問として記録されることがあります。
- 回答を読むだけで済ませる人や、後から社名で検索して来る人は、印があってもなくても数えられません。10月9日に起きた数字の落ち込みを社内に共有し、問い合わせの際に「何で知りましたか」と聞く欄にAIの選択肢を足すことが、自分の手でできる補い方です。
答え:もともと少なく出ていて、10月9日からはさらに少なく出る
アクセス解析のChatGPTからの訪問数は、ChatGPTが会社をすすめた結果のうち、記録に残った一部だけを数えた下限の数字です。10月9日からは、その記録に残る部分が仕組みの変更で細くなっています。
アクセス解析は、訪問者がどこから来たかをリンクの末尾に付いた印や、直前に見ていたページの情報で判断していますが、ChatGPTから来た人の多くはこのどちらも持たずに到着します。印のない訪問は、ブックマークやURLの手入力と同じ「直接」の訪問に混ざるため、ChatGPTの働きとしては数えられません。
10月9日を境に、ChatGPTからの訪問が急に減ったように見えるサイトが出ていますが、すすめられる回数や実際の訪問が同じだけ減ったとは限りません。数字が落ちた理由の多くは、ChatGPTがリンクに付けていた印が外れたことで説明がつきます。
10月9日に起きたのは、リンクから出どころの印が外れたこと
ChatGPTの回答で出どころの印が付いたリンクを含む割合は、10月8日の約98%から10月14日の66%に下がりました。同じ期間に、操作できる部品を交えて答える新しい表示形式の回答は2%から約35%に増えていて、2つの動きは時期も大きさも重なります。
ChatGPTはこれまで、回答の中のリンクに「utm_source=chatgpt.com」という短い印を付けていて、アクセス解析はこの印を見て「ChatGPTから来た」と記録していました。新しい表示形式の回答では、本文に直接並ぶリンクの多くからこの印が抜けています。
| 日付 | 分母 | 印の付いたリンクを1つ以上含む回答 | 新しい表示形式の回答 |
|---|---|---|---|
| 10月8日 | Profoundが集めた、出典のある回答(件数は非公開) | 約98% | 2% |
| 10月9日 | 75% | 26% | |
| 10月14日 | 66% | 約35% |
10月14日には、出典のある回答のおよそ3分の1で、リンクに印が1つも付いていませんでした。アクセス解析のChatGPTからの訪問が3分の1ほど減ったという声と、ちょうど同じくらいの大きさです。
ただし、新しい表示形式でも全部の印が消えたわけではなく、商品や情報の詳しい画面を開いた先のリンクには印が残っていました。同じ回答の中でも、どのリンクを押したかで記録のされ方が変わるため、ChatGPTからの訪問がゼロになることはありません。
印が外れても、訪問や購入そのものは起きていて、サイトの側にも記録は残ります。消えているのは、その訪問をChatGPTが連れてきたという情報だけなので、使う解析ツールを替えても取り戻せません。
印が付いていた頃から、AI経由の成果は数えきれていなかった
印が付いていた10月8日以前も、ChatGPTからの訪問数はAIの働きの全部ではありませんでした。回答の中で比較を済ませてサイトを開かない人や、後から社名で検索して来る人は、はじめから記録に残らないためです。
AIで商品やサービスを調べる人は、回答の中で候補を比べ、絞り込んでからサイトを開きます。回答だけで用が済めば訪問は起きず、AIで社名を知った人が後から社名で検索して来れば、その訪問は検索からの訪問として記録されます。
企業の購買担当者では94%が買う前にAIの検索を使い、消費者でも42%がAIで商品を調べています。調べる人がこれだけ多いのに、アクセス解析に残るのは、AIの回答のリンクを押してその場で来た人だけです。
同意のバナーで記録を断る人や、スマートフォンで調べてパソコンで申し込む人もいるため、ひとりの訪問を成約まで追いかけることも難しくなっています。10月9日の変更は、もともと細かった記録の道をさらに細くしたものと考えたほうが実態に合います。
記録に残らない分は、問い合わせのときに聞いて補う
アクセス解析に頼らずにAI経由の成果を見積もるには、問い合わせや申し込みの際に「何で知りましたか」と尋ね、AIを選んだ人の割合を全体に当てはめます。人に聞く方法なので、リンクの印が外れても数字は崩れません。
答えた人の売上のうちAIを選んだ人の分が10%なら、答えなかった人を含む全体の売上にも同じ10%を当てはめます。答えた人の売上が10万ドル、そのうちAIを選んだ人の分が1万ドル、全体の新規売上が40万ドルなら、AI経由の売上は4万ドルと見積もれます。
アクセス解析で追える成果と、自己申告で見積もった成果は、どちらも実際より少なく出やすいため、片方だけを報告するより両方を並べたほうが判断を誤りません。どちらの方法でも、同じやり方で四半期ごとに測り続ければ、数字が動いたときに成果が動いたと言えるようになります。
AIに出ていること自体を広告費に置き換える試算もあり、ChatGPTの広告は1,000回の表示あたり25〜45ドルで売られています。購入直前の質問約110問ではAhrefsが回答の46%に出ていて、広告に置き換えると77〜139ドル分でした。
同じ計算を幅広い約1,800問に広げると、出ている割合は45%、広告に置き換えた額は7,300〜13,100ドル分になります。購入直前の質問は聞かれる回数が少ないため金額は小さく出ますが、売上の見積もりと並べると、訪問の数字に出ない露出の大きさを社内に示せます。
Webマーケ担当者が、いまやること
ChatGPTからの訪問数が10月9日に落ちていても、それだけを理由に施策を止めないことです。落ち込みの理由を社内に共有し、問い合わせ時の自己申告と、AIの回答に自社が出ているかの確認を、訪問数と並べて見ます。
どれもアクセス解析の画面と問い合わせフォームの設定で進められるため、エンジニアに頼まなくても始められます。
- アクセス解析で参照元がchatgpt.comの訪問数を10月の日別で確かめ、9日を境に落ちていないかを見る
- 落ちていれば、ChatGPTの表示形式の変更でリンクの印が外れた日として、レポートを見る人に共有するメモへ書き込む
- 同じ期間に「直接」の訪問や、社名での検索からの訪問が増えていないかを並べて確かめる
- 問い合わせや申し込みのフォームに「何で知りましたか」の欄を作り、ChatGPTなどのAIを選択肢に入れて複数選べるようにする
- 月に1回、自社の商品やサービスを選ぶときの質問をChatGPTに投げ、自社が回答に出ているかを日付つきで記録する
訪問数は、ChatGPTの画面の作りが変わるだけで大きく動く数字なので、成果の物差しとしては頼りきれません。自己申告と回答への出方という、リンクの印に左右されない2つの数字を今月から集め始めておけば、次に画面が変わったときにも判断がぶれなくなります。
観測手法
公開された資料2件だけを使いました。1件目は、Profoundが2026年10月14日に公開した「ChatGPT’s missing UTM tags: what our research shows」です。Profoundが集めたChatGPTの回答について、出典のリンクに出どころの印が付いている割合と、新しい表示形式の回答の割合を、10月8日から14日まで日ごとに追った実測です。集めた回答の件数、質問の内容、国や言語は記事に書かれていません。
2件目は、Ahrefsが2026年10月6日に公開した「AI Search ROI Is Messy. Here’s How to Measure It Anyway」です。AI経由の成果がアクセス解析に残りにくい事情と、アクセス解析で追える売上と自己申告の売上の2通りで見積もる手順、AIに出ていることを広告費に置き換える試算を含みます。自己申告の計算に使った金額は手順を示すための例で、実際の企業の数字ではありません。購買担当者の94%と消費者の42%は、この記事が紹介しているForresterとNielsenIQの調査の数字で、元の調査は取得していません。
AIMAによる独自の計測は行っていません。本文中の数値は、取得時に保存した原文から確認したものです。
この記事で言えないこと
印の付いたリンクの割合は、Profoundが自社で集めた回答だけを7日間見た数字で、回答の件数や質問の選び方、国や言語は分かりません。日本語でChatGPTを使う人の回答で同じ割合になるかは確かめられていません。印のないリンクから来た訪問が「直接」として記録されるかどうかは、ブラウザが直前のページの情報を渡すかにもよりますが、その点を確かめた資料はありません。アクセス解析の数字が下がった理由の多くを印の欠落に求める部分は、時期と大きさが重なることからの推定で、因果を確かめた実験ではありません。OpenAIは印を戻す時期を公表しておらず、戻っても10月9日以降の記録はさかのぼって直りません。自己申告で見積もる計算は手順の例で、答える人が偏れば割合もずれます。ここから言えるのは、ChatGPTからの訪問数はもともと下限の数字であること、10月9日以降はさらに少なく出ていること、自己申告など印に左右されない数字を並べて見る必要があること、この3点までです。
突き合わせた資料
- 10月9日からリンクの出どころの印が外れた実測ChatGPT’s missing UTM tags(印の付いたリンクと新しい表示形式の割合、10月8日〜14日)
Profound/取得 2026-10-15 - AI経由の成果がもともと記録に残りにくい事情と、記録以外で見積もる手順AI Search ROI Is Messy. Here’s How to Measure It Anyway(追える売上・自己申告・広告費への置き換え)
Ahrefs/取得 2026-10-06