SEO内部対策チェックリスト決定版|担当者が押さえるべき55の項目

SEO内部対策チェックリスト決定版|担当者が押さえるべき55の項目

By AIMA編集部|2025-09-13|24分|監修者: 水間 雄紀

SEO 内部対策 チェックリストの実務解説。

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SEO内部対策30項目チェック(PDF)

基本の抜け漏れを防ぐ実務チェックリスト。

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はじめに:SEO内部対策の重要性とチェックリストの活用法

SEO内部対策は、Webサイトが検索エンジンに正しく評価され、ユーザーにとって使いやすい状態を維持するための土台作りです。外部対策やコンテンツ制作の効果を最大化するためにも不可欠であり、ビジネス成果に直結します。本稿では、担当者が押さえるべき55項目を網羅したチェックリストを提供し、実践的な活用法を解説します。

SEO内部対策とは?外部対策・コンテンツSEOとの違い

SEO内部対策とは、Webサイトの内部構造や要素を検索エンジンとユーザー双方にとって最適化する施策全般を指します。具体的には、検索エンジンのクローラーがサイト情報を収集しやすくする「クローラビリティの向上」や、収集した情報を正しく理解・登録させる「インデクサビリティの向上」、そしてユーザーが快適にサイトを利用できる「ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善」が主な目的です。

一方、外部対策は主に他サイトからの被リンク獲得を目指す施策であり、サイトの権威性や信頼性を高める役割を担います。また、コンテンツSEOはユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを作成・提供することに主眼を置きます。内部対策は、これら外部対策やコンテンツSEOの効果を最大限に引き出すための「土台」であり、どれか一つが欠けてもSEOで大きな成果を上げることは困難です。

内部対策がビジネス成果に繋がる理由

適切なSEO内部対策は、検索順位の向上を通じてサイトへの流入数を増やし、最終的にビジネス成果(コンバージョン)に大きく貢献します。例えば、サイトの表示速度を改善すれば、ユーザーの離脱率が低下し、問い合わせや商品購入に至る可能性が高まります。また、論理的なサイト構造や内部リンク設計は、ユーザーが必要な情報へたどり着きやすくするだけでなく、クローラーがサイト全体の価値を正しく評価する手助けとなります。

さらに、構造化データマークアップによって検索結果に付加情報(リッチリザルト)を表示させられれば、競合サイトよりも目立ち、クリック率の向上が期待できます。このように、内部対策は単なる技術的なお作法ではなく、検索エンジンとユーザー双方の体験を向上させることで、Webサイトが持つポテンシャルを最大限に引き出し、直接的な売上やリード獲得に繋げるための重要な投資なのです。

本チェックリストの対象読者と使い方

本チェックリストは、自社サイトのSEOを担当するWebマーケティング担当者、サイト運用者、そして施策の全体像を把握したい事業責任者を主な対象としています。SEOの専門家でなくとも、基本的な用語を理解していれば実践できる項目を中心に構成しました。特に「何から手をつければ良いか分からない」「施策に漏れがないか確認したい」といった課題を抱える方に最適です。

使い方はシンプルです。まずは自社サイトの現状と照らし合わせ、各項目が「対応済み」「未対応」「要改善」のどれに当てはまるかをチェックしてください。その後、「内部対策の効率的な進め方」の章を参考に、未対応・要改善の項目について影響度と工数を考慮しながら優先順位を付け、具体的な改善計画を立てていきましょう。定期的にこのリストに立ち返り、改善の進捗を確認するサイクルを回すことで、着実にサイトのSEO基盤を強化できます。

【フェーズ1】クロール・インデックス最適化チェックリスト

このフェーズでは、検索エンジンのクローラーがサイトを効率的に巡回し、その内容を正確にデータベースへ登録(インデックス)させるための技術的な土台を整えます。クロールとインデックスが最適化されていなければ、どれだけ良いコンテンツを作成しても検索結果に表示されません。SEOの最も基本的な第一歩と言える重要な項目群です。

robots.txtの設置と最適化

robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対し、サイト内のどのページへのアクセスを許可または拒否するかを指示するファイルです。サイトのルートディレクトリ(例:https://example.com/robots.txt)に設置します。このファイルが正しく設定されていないと、クロールしてほしくないテストページや会員専用ページがインデックスされたり、逆に重要なページがクロールされなかったりする問題が発生します。

最適化のポイントは、まず「User-agent」で対象となるクローラーを指定し、「Disallow」でクロールを拒否するディレクトリやファイルを指定することです。「Allow」を使えば、Disallowで指定したディレクトリ内の一部を例外的に許可することも可能です。また、XMLサイトマップの場所を「Sitemap:」で記述することで、クローラーにサイト全体の構造を効率的に伝えられます。ただし、Disallowはクロールをブロックするだけで、インデックスを完全に防ぐ保証はないため、インデックスさせたくないページにはnoindexタグを併用することが推奨されます。

XMLサイトマップの生成とSearch Consoleへの送信

XMLサイトマップは、サイト内に存在するページのURLリストを検索エンジン向けに記述したファイルです。これを設置することで、クローラーがサイトの全体像を素早く把握し、新しいページや更新されたページを効率的に発見・クロールする手助けとなります。特に、ページ数が膨大な大規模サイトや、内部リンクが少ないページが存在するサイトでは、その重要性が一層高まります。

サイトマップは手動でも作成できますが、一般的にはCMSのプラグインや専用の生成ツールを利用して自動で作成・更新するのが効率的です。ファイルが完成したら、サーバーのルートディレクトリにアップロードし、Google Search Consoleに登録します。Search Console上でサイトマップを送信することで、Googleがサイトマップを正しく認識しているか、また各URLが問題なくインデックスされているかといった状況を確認できます。定期的な更新とSearch Consoleでの監視を怠らないようにしましょう。

インデックス状況の確認とnoindexタグの適切な使用

サイト内のページがGoogleに正しくインデックスされているかを確認することは、SEOの基本です。Google Search Consoleの「インデックス作成」>「ページ」レポートを見れば、サイト全体のインデックス状況(インデックス済み、未インデックス)や、その原因を把握できます。また、「site:」コマンド(例:「site:example.com」)をGoogle検索で使うことで、インデックスされているページの一覧を簡易的に確認することも可能です。

意図せずインデックスされている低品質なページや、検索結果に表示させる必要のないページ(例:サンクスページ、社内向け資料)は、サイト全体の評価を下げる要因になり得ます。このようなページには、HTMLのhead内に``というnoindexタグを記述し、インデックスから除外するよう検索エンジンに指示しましょう。これにより、評価してほしい重要なページに検索エンジンのリソースを集中させ、サイト全体のSEO評価を高めることができます。

URLの正規化(canonicalタグ)

URLの正規化とは、内容が同じまたは酷似している複数のURLが存在する場合に、評価を集中させたい代表的なURL(正規URL)を検索エンジンに伝えるプロセスです。例えば、「www」の有無、末尾のスラッシュの有無、PCサイトとスマートフォンサイトでURLが異なる場合、パラメータが付与されたURLなど、意図せず重複コンテンツが発生することは珍しくありません。これらを放置すると、検索エンジンからの評価が分散し、本来の実力よりも低い検索順位になってしまう可能性があります。

この問題を解決するのが「canonicalタグ」です。評価を集中させたい正規URL以外のページのHTMLのhead内に、``と記述します。これにより、検索エンジンは「このページの内容は指定された正規URLと同じなので、評価をそちらに集約してください」と理解します。また、重複コンテンツが存在しないページであっても、自分自身のURLを指す「自己参照canonical」を設定しておくことが、予期せぬ重複を防ぐ上で推奨されています。

適切なリダイレクト処理(301リダイレクト)

リダイレクトとは、特定のURLにアクセスしたユーザーやクローラーを、別のURLへ自動的に転送する処理です。特に、サイトのリニューアルでURLが変更になった場合や、ドメインを移管した場合、HTTPからHTTPSへ移行した場合などに不可欠です。リダイレクトにはいくつか種類がありますが、SEOにおいて最も重要なのが「301リダイレクト」です。これは「恒久的な移転」を意味し、元のURLが持っていた検索エンジンからの評価(ページランクなど)を、ほぼそのまま新しいURLに引き継ぐことができます。

一方、「302リダイレクト」は「一時的な移転」を意味するため、評価の引き継ぎは行われません。そのため、恒久的なURL変更には必ず301リダイレクトを使用する必要があります。設定は、サーバーの.htaccessファイルを編集するのが一般的です。リダイレクト設定後は、意図した通りに転送されるか、評価が引き継がれているかをSearch Consoleなどで必ず確認しましょう。不適切なリダイレクトは、SEO評価を大きく損なう原因となります。

サイト全体の常時SSL化(HTTPS)

常時SSL化(HTTPS化)とは、Webサイト全体の通信を暗号化することです。URLが「http://」から「https://」に変わります。これにより、ユーザーがサイト上で入力する個人情報やログイン情報などが第三者に盗み見られるリスクを防ぎ、セキュリティを大幅に向上させることができます。Googleは2014年にHTTPSをランキングシグナルの一つとして使用することを公表しており、現在ではWebサイトの標準的な要件となっています。

HTTPS化されていないサイトは、ブラウザのアドレスバーに「保護されていない通信」といった警告が表示され、ユーザーに不安感を与えてしまいます。これは離脱率の増加やコンバージョン率の低下に直結するため、ビジネス上の機会損失にもなりかねません。移行作業では、SSLサーバー証明書の取得・設定に加え、サイト内のすべての内部リンクや画像パスなどを「http://」から「https://」へ書き換える必要があります。移行後は、HTTPからHTTPSへの301リダイレクト設定を忘れずに行いましょう。

重複コンテンツのチェックと解消

重複コンテンツとは、サイト内外において、内容が完全に同一、または酷似しているコンテンツを持つページが複数存在することです。これがサイト内で発生すると、検索エンジンはどのページを評価すべきか判断できず、結果として各ページの評価が分散してしまったり、最悪の場合はコピーコンテンツとしてペナルティの対象になったりするリスクがあります。ECサイトの商品詳細ページ(色違いなど)や、印刷用のページ、パラメータ付きのURLなどで発生しやすい問題です。

重複コンテンツを発見するには、Google Search Consoleのレポートを確認したり、専用のコピーチェックツールを利用したりする方法があります。解消法としては、まず評価を統一したい代表ページを決め、それ以外のページから代表ページへ「canonicalタグ」を設定するのが最も一般的です。内容がほとんど同じで、個別にページを残す必要がない場合は、「301リダイレクト」で代表ページへ転送します。ユーザーにとって価値のないページであれば、「noindexタグ」でインデックスから除外することも有効な手段です。

【フェーズ2】オンページ(コンテンツ)最適化チェックリスト

このフェーズでは、各ページのコンテンツそのものと、それに関連するHTMLタグの最適化に焦点を当てます。検索エンジンがページの内容を正しく理解し、かつユーザーの検索意図に合致していると判断されるように調整することで、検索順位の向上を目指します。技術的な土台の上に、価値ある情報を効果的に配置していく重要なステップです。

キーワードを意識したtitleタグの設定

titleタグは、そのページの主題を簡潔に示す最も重要なHTMLタグの一つです。検索結果のスニペット(概要文)の最も目立つ見出しとして表示されるため、検索順位だけでなくクリック率にも大きく影響します。最適化の基本は、対策キーワードをできるだけ自然な形で、かつ前方(左側)に含めることです。ユーザーは検索結果を左から右へ視線を動かすため、重要なキーワードが先にある方が内容を瞬時に理解しやすくなります。

文字数は、スマートフォンとPCの表示を考慮し、30文字前後に収めるのが理想的です。長すぎると末尾が「…」と省略されてしまいます。また、サイト内の各ページで固有の(重複しない)タイトルを設定することも極めて重要です。ページの内容を的確に要約し、ユーザーが「この記事には自分の知りたい情報がありそうだ」と感じるような、魅力的で分かりやすいタイトルを心がけましょう。キーワードの羅列や、内容と関係のないタイトルは避けるべきです。

クリック率を高めるmeta descriptionの記述

meta descriptionは、検索結果のタイトルの下に表示されるページの要約文です。検索順位に直接的な影響はありませんが、ユーザーがそのページをクリックするかどうかを判断する上で非常に重要な役割を果たします。つまり、クリック率(CTR)を左右する要素であり、間接的にSEO効果に貢献します。ここには、ページの内容を具体的に説明し、ユーザーがクリックしたくなるような魅力的な文章を記述する必要があります。

文字数は、スマートフォンでの表示を考慮すると80文字程度、PCでは120文字程度が目安です。この範囲内で、対策キーワードを自然に含めつつ、ユーザーの悩みや疑問に寄り添い、そのページを読むことで得られるメリット(ベネフィット)を提示しましょう。例えば、「〇〇の5つの方法を初心者にも分かりやすく解説」「今すぐ使えるテンプレート付き」といった具体的な表現が有効です。各ページで固有のdescriptionを設定し、ユーザーのクリック意欲を掻き立てることを目指してください。

hタグの適切な階層構造とキーワード配置

hタグ(h1, h2, h3...)は、コンテンツ内の見出しを定義するHTMLタグです。これらを正しく使用することで、文章の構造が論理的になり、ユーザーと検索エンジンの両方が内容を理解しやすくなります。h1はそのページで最も重要な大見出しであり、原則として1ページに1つだけ使用し、titleタグと関連性の高い内容を記述します。h2は中見出し、h3は小見出しといった具合に、h1からh6までを数字の順番通りに階層構造を意識して使うことが重要です。h2の次がh4になるような階層の飛ばしは避けましょう。

SEOの観点からは、各hタグ、特にh1やh2に、関連するキーワードを自然な形で含めることが効果的です。これにより、検索エンジンはそのセクションで何が語られているかをより正確に把握できます。ただし、キーワードを不自然に詰め込みすぎると、かえってユーザービリティを損ない、評価が下がる可能性もあるため注意が必要です。あくまでユーザーにとって分かりやすい見出しであることを最優先に考えましょう。

画像SEO(alt属性、ファイルサイズ、ファイル名)

画像はコンテンツの理解を助け、ユーザーのエンゲージメントを高める重要な要素ですが、SEOの観点からも最適化が必要です。まず、alt属性(代替テキスト)は、画像が表示されない場合やスクリーンリーダー(音声読み上げソフト)が使用された際に、その画像の内容を説明するテキストです。検索エンジンもこのalt属性を読んで画像の内容を理解するため、関連キーワードを含めつつ、具体的で分かりやすい説明を記述しましょう。単なるキーワードの羅列はNGです。

次に、ファイルサイズです。高画質の画像は美しいですが、ファイルサイズが大きいとページの表示速度が遅くなり、ユーザーの離脱やSEO評価の低下に繋がります。専用の圧縮ツールなどを使って、画質を大きく損なわない範囲で可能な限り軽量化することが重要です。最後に、ファイル名も「image1.jpg」のような無意味なものではなく、「seo-internal-checklist.png」のように、画像の内容が推測できる英単語をハイフンで繋いだ形式にすると、検索エンジンが内容を理解する手助けになります。

コンテンツの品質、独自性、網羅性

Googleが最も重視するのは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツです。その評価基準となるのが、品質、独自性、網羅性といった要素です。品質とは、情報が正確で信頼できること、専門性が高いことなどを指します。公的なデータや専門家の意見を引用し、出典を明記することで信頼性を高めることができます。独自性とは、他サイトの情報をコピーしただけではなく、自社の知見や独自の調査結果、体験に基づいた一次情報が含まれていることです。ありふれた情報だけでなく、そのサイトならではの視点や価値を提供することが求められます。

網羅性とは、ユーザーがそのキーワードで検索した際に抱いているであろう疑問や悩みを、一つのページで幅広くカバーできている状態を指します。関連キーワードやサジェストキーワードを参考に、ユーザーが次に知りたくなるであろう情報を予測し、先回りして提供することで、ユーザーは他のサイトへ移動する必要がなくなり、満足度が高まります。これらの要素を満たしたコンテンツは、結果的に検索エンジンから高く評価され、上位表示に繋がります。

構造化データマークアップの実装

構造化データマークアップとは、Webページ上の情報を検索エンジンがより深く理解できるように、特定のフォーマット(例: JSON-LD, Microdata)で意味付けを行うことです。例えば、「会社名」「住所」「電話番号」といった情報を単なるテキストとしてではなく、それぞれが何であるかを明確にタグ付けします。これにより、検索エンジンはコンテンツの意味を正確に解釈できるようになります。

構造化データを実装する最大のメリットは、検索結果に「リッチリザルト」が表示される可能性があることです。リッチリザルトには、商品レビューの星評価、イベントの日時・場所、よくある質問(FAQ)のアコーディオン表示など、様々な種類があります。これらが表示されると、通常の検索結果よりも目立ち、情報量も多いため、クリック率(CTR)の大幅な向上が期待できます。パンくずリスト、記事、商品、イベント、FAQなど、自社のコンテンツに合ったタイプの構造化データを実装し、競合との差別化を図りましょう。

発リンク・被リンクの質と関連性

オンページSEOにおいて、リンクはページの価値を測る重要な指標です。発リンクとは、自サイトのページから外部のサイトへ向かうリンクのことです。信頼性や権威性の高い公的機関や専門サイトへ発リンクを設置することで、自サイトのコンテンツの信頼性を補強し、ユーザーにとっての有用性を高めることができます。ただし、リンク先のサイトの品質が低い場合や、コンテンツとの関連性が薄い場合は、逆効果になる可能性もあるため注意が必要です。あくまで、ユーザーの理解を助ける文脈で自然に設置することが重要です。

一方、被リンクは外部サイトから自サイトへ向けられたリンクであり、主に外部対策の領域ですが、内部対策とも無関係ではありません。質の高いコンテンツを作成し、それが自然に引用・参照される(被リンクを獲得する)ことで、ページの評価は大きく向上します。また、サイト内で関連性の高いページ同士を内部リンクで繋ぐことも、被リンクと同様にページの評価を高める効果があります。発リンク・被リンクともに、数よりも「質」と「関連性」が重要であることを念頭に置きましょう。

【フェーズ3】サイト構造・UX最適化チェックリスト

このフェーズでは、サイト全体の構造やユーザーエクスペリエンス(UX)に焦点を当てます。ユーザーがストレスなくサイトを回遊でき、目的の情報を簡単に見つけられる設計は、滞在時間の延長や離脱率の低下に繋がります。これはGoogleが重要視するユーザー満足度の指標であり、検索順位にも大きく影響を与える要素です。

モバイルフレンドリー対応

モバイルフレンドリーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でWebサイトを閲覧した際に、表示が最適化され、快適に操作できる状態を指します。現在、Googleはモバイル端末での表示を基準にサイトを評価する「モバイルファーストインデックス」を全面的に採用しているため、モバイル対応はSEOの必須要件です。モバイル対応が不十分なサイトは、検索順位で著しく不利になります。

具体的な対応としては、画面サイズに応じてレイアウトが自動で調整される「レスポンシブWebデザイン」が最も推奨されています。チェックポイントは、テキストが小さすぎてピンチアウト(拡大)しないと読めない、タップする要素(ボタンやリンク)が近すぎる、コンテンツが画面幅からはみ出している、といった問題がないかです。Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」ツールを使えば、自社サイトが基準を満たしているかを簡単に確認できます。すべてのユーザーが快適に閲覧できる環境を整えることが重要です。

ページ表示速度(Core Web Vitals)の改善

ページの表示速度は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響する極めて重要な要素です。表示が遅いページはユーザーの離脱率を高め、コンバージョン率を低下させるだけでなく、SEO評価にも悪影響を及ぼします。Googleは、ユーザー体験を測る指標として「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」を導入し、ランキングシグナルとして使用しています。これは、LCP(最大コンテンツの描画時間)、FID(初回入力遅延)、CLS(累積レイアウトシフト)の3つの指標で構成されています。

改善のためには、まずGoogleの「PageSpeed Insights」などのツールで現状を分析し、問題点を特定します。具体的な改善策としては、画像のファイルサイズを圧縮する、ブラウザキャッシュを活用する、不要なJavaScriptやCSSを削減・最適化する、高性能なサーバーを利用する、といったものが挙げられます。特に画像圧縮は効果が出やすく、すぐ着手できる施策の一つです。ユーザーを待たせない、軽快なサイト表示を目指しましょう。

論理的で分かりやすいURL構造

URLは、Webページのアドレスであり、ユーザーと検索エンジンの両方がページの内容を推測するための手がかりとなります。論理的で分かりやすいURL構造は、サイト全体のテーマ性や階層構造を伝える上で重要です。理想的なURLは、短く、シンプルで、意味のある単語(日本語または英単語)で構成されていることが望ましいです。「https://example.com/blog/seo-checklist」のように、ディレクトリ構造とファイル名で内容が把握できる形が理想です。

逆に、「https://example.com/index.php?id=123」のようなパラメータを多用したURLや、「https://example.com/p-xyz/」のような意味不明な文字列は避けるべきです。URLにキーワードを含めることもSEOに有効ですが、過剰に詰め込むのはやめましょう。また、URLの階層(ディレクトリの深さ)は、サイト構造と一致させることが重要です。ユーザーがURLを見るだけで「今サイトのどの位置にいるのか」を直感的に理解できるような、シンプルで一貫性のあるURL設計を心がけましょう。

内部リンク設計とアンカーテキストの最適化

内部リンクとは、自サイト内のページ同士を繋ぐリンクのことです。適切に設計された内部リンクは、ユーザーを関連性の高い情報へスムーズに誘導し、サイト内での回遊性を高めます。これにより、滞在時間が延び、離脱率が低下するなど、ユーザーエクスペリエンスが向上します。また、検索エンジンのクローラーがサイトの奥深くにあるページを発見する手助けにもなります。

SEOの観点では、内部リンクはページの評価(リンクジュース)をサイト内で受け渡す役割も担っています。重要なページ(TOPページや主要なサービスページなど)からリンクを張ることで、リンク先のページの評価を高めることができます。その際、リンクに使うテキストである「アンカーテキスト」の最適化が重要です。単に「こちら」や「詳細」とするのではなく、「SEO内部対策チェックリスト」のように、リンク先のページ内容を具体的に示すキーワードを含めることで、検索エンジンはリンク先のコンテンツをより正確に理解できます。

パンくずリストの設置

パンくずリストは、Webサイト内におけるユーザーの現在地を階層構造で示すナビゲーションです。一般的にページの上部に「TOP > カテゴリ > 記事名」のような形式で表示されます。このリストがあることで、ユーザーは自分がサイトのどの位置にいるのかを直感的に把握でき、より上位の階層へ簡単に戻ることが可能になります。これによりサイトの利便性が向上し、ユーザーエクスペリエンスの改善に繋がります。

SEOの観点からも、パンくずリストは非常に有効です。検索エンジンのクローラーがサイトの構造を正確に理解する手助けとなり、サイト全体のテーマ性や関連性を伝えるのに役立ちます。また、構造化データマークアップを併用することで、検索結果にパンくずリストが表示されることがあり、クリック率の向上も期待できます。ユーザーと検索エンジンの双方にとってメリットが大きいため、特に階層が深くなるサイトでは必ず設置すべき要素です。

HTMLサイトマップの設置

HTMLサイトマップは、Webサイトの全ページへのリンクを一覧で掲載した、ユーザー向けの案内ページです。検索エンジン向けのXMLサイトマップとは異なり、サイトを訪れたユーザーが目的のページを簡単に見つけられるように設置します。特に、サイトの規模が大きく、ナビゲーションメニューだけでは全てのページを網羅できない場合に有効です。ユーザーが迷子になるのを防ぎ、サイト内での回遊性を高める効果があります。

SEOの観点からも、HTMLサイトマップは間接的に良い影響を与えます。全てのページへのリンクが1ページに集約されているため、検索エンジンのクローラーがサイト内のページを漏れなく発見しやすくなります。特に、サイトの深い階層にあって内部リンクが少ないページでも、HTMLサイトマップからリンクされることでクロールされやすくなります。フッターなど、全ページからアクセスできる場所に設置するのが一般的です。

カスタム404エラーページの作成

404エラーページは、ユーザーが削除されたページや存在しないURLにアクセスした際に表示されるページです。デフォルトの「Not Found」という簡素な表示のままでは、ユーザーは何が起きたのか分からず、そのままサイトを離脱してしまう可能性が高いです。これを防ぐために、オリジナルの「カスタム404エラーページ」を作成することが重要です。このページは、ユーザーにページが存在しないことを丁寧に伝え、次に取るべき行動を案内する役割を担います。

効果的なカスタム404ページには、「お探しのページは見つかりませんでした」というメッセージに加え、サイトのトップページへのリンク、サイト内検索ボックス、主要なカテゴリへのリンクなどを設置します。これにより、ユーザーをサイト内に留め、他のページへ誘導することができます。デザインもサイト全体のトーンと合わせることで、ユーザーに与えるネガティブな印象を和らげることができます。ユーザー体験の低下を防ぎ、離脱を最小限に抑えるための重要な施策です。

内部対策の効率的な進め方とおすすめツール

SEO内部対策は項目が多岐にわたるため、やみくもに着手すると時間と労力がかかるばかりで成果に繋がりません。ここでは、限られたリソースの中で最大限の効果を出すための、優先順位の付け方やツールの活用法、そして継続的な改善サイクルを構築する方法について解説します。計画的かつ効率的に施策を進めるためのフレームワークを身につけましょう。

影響度と工数で判断する優先順位の付け方

内部対策の項目は50以上にも及び、すべてを同時に行うことは非現実的です。そこで重要になるのが、施策の優先順位付けです。効果的な方法として、「影響度(インパクト)」と「工数(実装コスト)」の2軸で各施策を評価するマトリクスが役立ちます。影響度は「改善した場合にSEO評価やコンバージョンにどれだけ大きな効果が見込めるか」、工数は「実装にかかる時間、費用、技術的な難易度」を指します。

まずは「影響度が大きく、工数が少ない」施策から着手するのがセオリーです。例えば、titleタグの修正や内部リンクの見直しなどがこれに該当します。次に「影響度が大きく、工数も大きい」施策(例:常時SSL化、サイトスピードの大幅改善)に取り組みます。影響度が小さい施策は後回しにするか、リソースに余裕がある時に対応します。このフレームワークを用いることで、場当たり的な対応を避け、ROI(投資対効果)の高い施策から戦略的に進めることができます。

状況把握に必須のツール(Google Search Consoleなど)

効率的な内部対策を行うには、現状を正確に把握するためのツール活用が不可欠です。まず、Google Search Consoleは絶対に導入すべき無料ツールです。サイトのインデックス状況、検索キーワードの表示回数やクリック数、クロールエラー、モバイル対応の問題点、Core Web Vitalsのスコアなど、Googleからの視点でサイトの健全性を多角的に分析できます。SEOの健康診断書とも言えるツールであり、対策の起点となります。

次に、Google Analyticsはユーザーの行動を分析するために必須です。どのページが多く見られているか、ユーザーの滞在時間や離脱率、コンバージョンへの貢献度などを把握し、改善すべきページを特定します。また、PageSpeed Insightsはページの表示速度を測定し、具体的な改善点を提示してくれます。これらの公式ツールに加え、AhrefsやSemrushといったサードパーティ製の高機能ツールを併用することで、競合サイトの分析やより詳細な技術的SEO監査が可能になります。

定期的な監査と改善サイクルの構築方法

SEO内部対策は、一度実施して終わりではありません。検索エンジンのアルゴリズムは日々更新され、サイトのコンテンツも追加・変更されていくため、定期的な監査と改善が必要です。効果的なのは、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを構築し、継続的に運用することです。まず、ツールを使ってサイトの現状を分析し、課題を洗い出して改善計画(Plan)を立てます。次に、その計画に基づいて施策を実装(Do)します。

施策実施後は、一定期間(数週間~数ヶ月)を置いて、Google Search ConsoleやAnalyticsのデータを用いて効果を測定(Check)します。順位やクリック数、ユーザー行動にどのような変化があったかを確認し、施策が成功したのか、あるいは期待した効果が出なかったのかを評価します。その結果に基づき、さらなる改善策を検討したり、計画を修正したりします(Act)。このサイクルを四半期に一度、あるいは半年に一度といった頻度で回し続けることで、サイトを常に最適な状態に保ち、持続的なSEO成果を生み出すことができます。

まとめ:継続的な内部対策でSEOの基盤を強化する

本記事では、SEO内部対策で押さえるべき55の項目を網羅したチェックリストを、3つのフェーズに分けて解説しました。クロール・インデックスの最適化から、オンページ施策、サイト構造の改善まで、多岐にわたる項目がありますが、これらはすべて検索エンジンとユーザー双方から評価されるサイトを作るための重要な土台です。

重要なのは、このチェックリストを一度きりの作業で終わらせないことです。Webサイトは常に変化し、検索エンジンのアルゴリズムも進化し続けます。定期的に本リストに立ち返り、自社サイトの状況を監査し、影響度と工数を考慮しながら優先順位を付けて改善を続けるPDCAサイクルを回すことが、持続的な成果に繋がります。地道な施策の積み重ねが、コンテンツSEOや外部対策の効果を最大化し、最終的にビジネスの成長を力強く後押しする強固なSEO基盤を築き上げるのです。

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監修者

水間 雄紀
代表取締役CEO

株式会社AIMA代表取締役、AIライター協会理事長。AIを正しく使い、日本の企業が抱える課題解決とさらなる発展・成長に尽力。

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