SEO内部対策チェックリスト実践ガイド(保存版)

SEO内部対策チェックリスト実践ガイド(保存版)

By AIMA編集部|2025-09-12|6分|監修者: 水間 雄紀

PDFチェックリストと連動した実務の進め方。優先順位づけから実装、検証までをスッキリ整理。

おすすめリソース
SEO内部対策30項目チェック(PDF)

基本の抜け漏れを防ぐ実務チェックリスト。

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はじめに:このガイドの目的と使い方

このガイドは、SEOの内部対策を初めて学ぶ方でも迷わず進められるように作った実践書です。専門用語はやさしく言い換え、今日から試せる形で手順を示します。まずは重要な箇所から小さく着手し、結果を見ながら範囲を広げましょう。

この記事の使い方

各章では「何を目指すか」「どこを直すか」「どう確かめるか」を順に説明します。まずは自分のサイトで足りていない点を見つけ、効果が大きく直しやすい順に対応していきましょう。本文で考え方を理解し、PDFチェックリストで抜け漏れを確認すると、次にやることが自然に見えてきます。

優先順位は「効果の大きさ」と「直しやすさ」の二軸で判断します。たとえばタイトルや説明文の見直し、本文の読みやすさ、パンくずや内部リンクの整備は短時間で効果が出やすい領域です。無理に一気に完璧を目指さず、区切りを決めて一歩ずつ進めるのが成功の近道です。

成果に繋がる運用の流れ

施策は実装して終わりではありません。週に一度は状況を振り返り、変化が出たかを必ず確認しましょう。Search Consoleでは「インデックス登録数」「除外・エラー」「表示回数やクリック率(CTR)」を見ます。主要クエリと主要ページの推移も合わせて確認し、何が増減の要因か仮説を立てます。PageSpeed Insightsでは表示速度やレイアウトの安定性(LCP/CLS/INP)など体験指標を点検します。

大事なのは、小さく改善→確認→次の改善というサイクルを続けることです。作業と数値の変化はダッシュボードやメモに残し、同じ画面をチームで共有します。短期の上下に振り回されず、数週間の傾向で判断しましょう。効果の大きさと直しやすさでバックログを並べ替え、次にやる一手をシンプルに決めると前進が速くなります。

0. 準備(戦略と体制)

ここでは、着手前に決めておきたい「目的・指標・進め方」を整えます。はじめに成功の基準をはっきりさせ、どのページから直すかの順番を決めることで、作業が迷子にならず、短期間でも成果を出しやすくなります。

KPI設計(目標と指標をシンプルに)

内部対策のゴールは、検索から来た人が欲しい情報に素早くたどり着き、問い合わせや資料DLなどの行動につながる状態を増やすことです。ですから、追いかける数字は検索順位だけでなく、CVに近い指標を含めます。たとえば「検索からの問い合わせ数」「記事ごとの貢献度」「検索結果でのCTR」などが有効です。

これらの指標はダッシュボードにまとめ、週に一度の定例で同じ画面を見ながら確認します。指標を決めておくと、施策の優先順位やリソース配分の判断が早くなり、迷いが減ります。まずはシンプルで良いので、継続して見られる体制づくりを優先しましょう。

ページの分類と優先順位づけ

限られた時間で効果を出すには、着手の順番が大切です。ページを「重要なランディングページ」「記事ページ」「カテゴリ一覧」「その他」に大きく分け、影響が大きく直しやすいものから手をつけます。序盤は、タイトル/説明文の見直しや本文の読みやすさ改善、パンくずや内部リンクの整備が取り組みやすい領域です。

優先順位は「影響度×実装のしやすさ」でスコアリングすると決めやすくなります。大きな作業に見えても、区切って進めれば確実に前進します。対応した内容はメモに残し、次の振り返りで数値に変化が出たかを確認していきましょう。

1. クロールとインデックス

クロールとインデックスは、検索エンジンにページを見つけてもらい、正しく登録してもらうための土台です。ここが整うと、更新が素早く伝わり、評価の起点が安定します。まずは不要なページを巡回させないこと、重要なURLを確実に知らせること、エラーを放置しないことの三点に集中しましょう。

robots.txt 設計

robots.txtは「どこを見に来てよいか」をクローラーへ伝える表札です。管理画面や検索結果、テスト用ディレクトリなど“見られなくてよい場所”はDisallowで除外し、重要なURLはサイトマップの場所を記して発見しやすくします。最初は最低限で構いませんが、不要領域を閉じるだけでもクロールの無駄が減り、重要ページに巡回が回りやすくなります。

注意したいのは、インデックスから外したいページをDisallowだけで済ませないことです。Disallowは「見に行かない」指示であって「登録を外す」指示ではありません。インデックス除外が必要なら、そのページ側でmeta robotsのnoindexを使います。作成後はSearch Consoleのrobotsテスターで意図どおりかを必ず確認しましょう。

XMLサイトマップ(分割/新鮮さ)

XMLサイトマップは「大切なURLの一覧表」です。記事、カテゴリ、画像など性質ごとに分けて登録すると、更新が伝わりやすくなります。新しい記事を公開したら、サイトマップのlastmodがすぐ更新される仕組みにしておくと、検索エンジンに“変化”を素早く知らせられます。まずは主要なページタイプから始めて、必要に応じて分割を増やしてください。

作成時は、404やリダイレクトのURLを混ぜないことが大切です。常に200で到達できるURLだけを載せ、定期的にリンク切れを点検します。Search Consoleでサイトマップを送信し、処理状況とエラーを確認しましょう。更新から一日程度で反映が進むのが目安です。反映が遅いときは、URLの品質や内部リンクも合わせて見直します。

404/5xx/リダイレクトの健全性

クロールの効率と利用者の体験を守るために、エラーページやリダイレクトの状態はこまめに整えます。サーバーエラー(5xx)はゼロが理想、不要な3xxは減らし、存在しないURLは404か410を適切に返します。内部リンクから4xx/5xxへ飛んでいないかを定期的にチェックすると、巡回の無駄や離脱を大きく抑えられます。

おすすめは、リンクチェッカーやクローラーで一覧を出し、数が多い原因から順に直す方法です。移設したページは恒久リダイレクトにしつつ、元のリンクも更新して二重の遠回りを解消します。キャンペーンURLのように一時的な転送は、将来のテストを妨げない設計にしておくと安心です。直した結果は次回の巡回で必ず再確認しましょう。

JSレンダリングとSSR/Prerender

JavaScriptで本文を後から描くページは、クローラーが中身をうまく取得できないことがあります。重要なページほど、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的生成(Prerender)で、最初から本文・見出し・リンクをHTMLに含めておくのが安全です。これだけで、検索エンジンにも利用者にも“最初の一瞬”から内容が伝わります。

確認は簡単で、「ページのソースを表示」に本文が見えていればOKです。Search Consoleの「URL検査→取得したHTML」でも、見出しや本文が含まれているか確かめられます。対話的な動きはクライアント側に任せつつ、読むべき内容は最初から届ける。この住み分けが、表示速度や評価の安定にもつながります。

2. 情報設計とサイト構造

情報設計は、読者が欲しい情報にまっすぐ届く“道筋”を作る作業です。階層の深さ、パンくず、カテゴリ、URLの決め方をそろえるだけで、迷子が減り検索エンジンの理解も安定します。ここでは、最初に整えておくべき基礎をやさしく確認します。

階層設計(深さ/パンくず/カテゴリ)

サイトの階層は浅くシンプルに保つほど、目的のページへ短い手数で辿り着けます。重要ページはトップから3クリック以内を目安にし、上位→中位→詳細の関係をパンくずで明示します。パンくずは「いまどこにいるか」を示す道標で、検索結果にも反映されるため、カテゴリ名や表示順を分かりやすく整えておきましょう。

カテゴリは細かく分け過ぎると薄く散らばり、逆に大きくし過ぎると意味の違いが曖昧になります。記事の本質的なテーマでグルーピングし、迷ったらユーザーが探す言葉で考えるのが近道です。運用中に重複や迷いが出たら、定期的に統合・改名して、常に理解しやすい構造を保ちます。

URL命名規則と正規化

URLは小文字・ハイフン区切り・末尾スラッシュなど、ルールを一度決めたら全ページで統一します。読み手にも検索エンジンにも意味が伝わる短い語を選び、不要な数字や日付の羅列は避けます。日本語スラッグはシェア時に崩れやすいので、基本は英字で分かりやすく表現する方が無難です。

同じ内容へ複数のURLで到達できると評価が分散します。並び替えやフィルタなどのパラメータ付きは、元URLへ正規化(canonical)し、必要ならnoindexも併用します。UTMのような計測付きURLが拡散しても、最終的に正規URLへ評価が集まるよう、自己参照canonicalをデフォルトで入れておきましょう。

ページタイプのテンプレ化

記事・カテゴリ・LP・固定ページなど、ページタイプごとに“型”を決めておくと品質が安定します。タイトルとH1の関係、見出し階層、メタ情報、カノニカル、構造化データ、内部リンク枠(関連記事・パンくず)をテンプレに含め、誰が作っても同じ完成度になるようにします。

テンプレは運用の指針でもあります。例外が増えると手戻りや抜け漏れが起きやすいので、必要な場合は型そのものを見直し、全体に反映していきます。公開前のチェックリストと合わせれば、初心者でも迷わずに「完成の基準」に到達できます。

3. HTMLとメタ

HTMLとメタ情報は、内容を分かりやすく伝えるための“見出し”や“ラベル”です。タイトルや説明文、見出しの階層、カノニカルの設定をそろえるだけで、検索結果の伝わり方とページの理解度が大きく変わります。まずは基本の整えから着実に進めましょう。

タイトル/ディスクリプションの生成規則

タイトルは記事の要点と便益が一目で伝わる短い文にまとめます。全角32文字前後を目安にし、固有名詞や解決できることを入れるとクリックされやすくなります。ディスクリプションは要約です。全角80〜120文字程度で、読者が得られる具体的な価値をはっきり書き、同じ内容の繰り返しやキーワードの羅列は避けます。

量産時はテンプレートに頼りきりにならないことが大切です。実際の検索意図に合わせて微調整し、重複が多いときは優先URLの整理も検討します。Search ConsoleでCTRが低いページを見つけ、タイトルや説明の観点を変えてAB的に改善すると、少ない工数で成果を出しやすくなります。

見出し階層と本文可読性

H1はページで一つ、H2→H3の順に階層を揃え、章立ての“骨組み”を明確にします。見出しには装飾語ではなく内容を端的に表す言葉を使い、本文は長くなりすぎないよう適度に段落を分けます。箇条書きや表を使うと、重要点が視覚的に整理され、読み進めやすくなります。

読みやすさは滞在にも直結します。150文字前後で改行を入れる、言い換えを使って同じ語尾が続かないようにする、といった小さな工夫が効果的です。本サイトのように自動で段落を整える仕組みがある場合も、原稿段階で“伝えたい一文”を短く切る意識を持つと、体験がさらに向上します。

カノニカルと重複対策

同じ内容へ複数のURLで到達できると、評価が分散して順位も安定しません。まずは各ページに自己参照のカノニカルを設定し、並び替えやフィルタで生まれるパラメータ付きURLは、元ページへ評価が集まるように正規化します。必要に応じてnoindexも併用すると、無駄なインデックスを抑えられます。

UTMなど計測用のURLがシェアされても、最終的に正規URLに統合されるようにしておくのが安心です。Search Consoleの重複検出やクローラーのレポートで定期的に点検し、問題が多い箇所は内部リンクの張り方やテンプレートの出し分けから見直しましょう。土台が整うほど、改善が効きやすくなります。

4. 内部リンク設計

内部リンクは、読者を次の疑問へ導く道しるべです。本文中の文脈リンク、関連記事や特集への誘導、パンくずや検索などの基本を整えるだけで、回遊と満足度が伸び、評価の土台も安定します。まずはシンプルに、迷わない導線を増やしましょう。

文脈リンク(本文内)の最適化

本文の流れの中で、関連トピックや用語解説へ自然にリンクします。目安は1000〜1500文字に1回。アンカーテキストは「こちら」ではなく、遷移先の内容が分かる具体的な言葉にします。読者が次に知りたいことを先回りして案内できれば、迷いが減り、理解も深まります。

過剰に並べると読みにくくなるため、重要なリンクだけを厳選します。同じアンカーの乱用は避け、同一ページ内への重複リンクも控えめに。クリック状況を計測して、踏まれていないリンクは表現を見直すと効果的です。小さな修正の積み重ねが回遊を底上げします。

関連記事/特集/カテゴリ導線

記事の末尾やサイドで、関連記事や特集、カテゴリ一覧へつながる導線を設置します。3〜6件を目安に、重複を避けつつテーマの広がりが伝わる組み合わせにします。単に新着順に並べるのではなく、読者が次に調べそうな順路を想像して選ぶのがコツです。

クリック率は見出し文とサムネイルで大きく変わります。紛らわしいタイトルは短く言い換え、画像は内容を連想しやすいものに差し替えましょう。表示枠の位置も効果に影響します。上中下の配置を入れ替え、最も反応がよい並びを定着させると安定します。

パンくず/サイト内検索

パンくずは「いまどこにいるか」を示し、上位の概念へ素早く戻れる導線です。全ページに設置し、階層の名前を分かりやすく整えます。構造化データ(BreadcrumbList)も付与すると、検索結果上でも経路が伝わりやすくなり、クリックの判断がしやすくなります。

サイト内検索は、目的の情報に直行したい読者の近道です。結果ページは重複や品質のばらつきが出やすいので、原則インデックス対象にせず、絞り込みパラメータも広がりすぎないように制御します。人気検索語を見て、必要な記事や用語集を補うのも有効です。

5. コンテンツ品質

コンテンツ品質は、検索評価と読者満足の土台です。誰が書いたか、何を根拠に述べているか、読みやすく誤解なく伝わるかを整えるだけで、成果は一段と安定します。まずは基本の信頼づけと読みやすさから着実に固めましょう。

E-E-A-Tと一次情報

専門性や信頼性を示す近道は、著者・監修・公開日/更新日を明記し、本文に一次情報を混ぜることです。自社の実測データ、手順のスクリーンショット、具体的な事例や失敗談などは、検索結果の中で差別化の核になります。引用は出典を添え、主張と根拠の線をはっきり引きましょう。

肩書や経歴は短くても効果があります。プロフィールや監修コメントを用意し、構造化データにも著者/監修を記述すれば、機械にも人にも伝わります。まとめ直しだけの二次情報に偏らず、現場で得た視点を一行でも入れると、説得力が大きく変わります。

テンプレとレビュー基準(DoD)

品質を安定させるには、ページタイプごとに「完成の定義(DoD)」を決めます。導入→問題提起→解決→実装手順→まとめの型を作り、事実確認、出典、用語統一、内部リンク、CTAのチェック項目をレビュー表に落とします。誰が書いても一定水準に届くのが理想です。

テンプレは硬直化させるものではありません。現場で詰まった点や読者の反応をもとに、定期的に型そのものを更新します。公開前にレビューシートで○×を付け、×は具体的な修正案まで書くと学習が早まります。型×振り返りの循環が、継続的な品質向上を生みます。

可読性とアクセシビリティ

読みやすさは成果に直結します。短い文と段落、見出しの使い分け、箇条書きや表で要点を整理し、同じ語尾が続かないよう言い換えます。画像には代替テキスト(alt)を付け、図は本文で要点を補足すると、スクリーンリーダー利用者にも内容が届きやすくなります。

色のコントラストや文字サイズ、行間も体験を左右します。表の見出しセルはthを使い、フォームのラベルやエラー表示も明確にしましょう。Lighthouseなどの自動チェックを活用し、改善点を小さく直す習慣をつければ、総合的な満足度がじわじわ上がっていきます。

6. 構造化データ

構造化データは、ページの内容や要素の関係を検索エンジンに機械可読で伝えるための“ラベル”です。適切に付与すると理解が安定し、検索結果での見え方や発見性も向上します。まずは記事、パンくず、著者情報の基礎から整えましょう。

Article/NewsArticle/FAQ/HowToの使い分け

記事にはArticle(ニュース性が強ければNewsArticle)を使い、headline、image、datePublished、author.nameなど基本プロパティを欠かさず入れます。手順の解説はHowTo、Q&AのまとまりはFAQが適しています。見た目だけを豪華にしても効果は弱く、本文構造とマークアップの意味が一致していることが大切です。まずは主要ページタイプに限定して、確実に正しく付与するところから始めましょう。

検証はリッチリザルトテストで行い、エラーや警告を一つずつ潰していきます。テンプレートへ組み込んでおくと新規作成時の付け忘れを防げます。過剰な装飾や実体と異なる値は無効化の対象になるため、事実と整合する最小限のプロパティを正確に出す姿勢が、長期的な安定につながります。

パンくず(BreadcrumbList)

パンくずは現在地と上位の関係を伝える道標で、構造化データではBreadcrumbListを使います。Home→カテゴリ→記事の順でitemListElementを並べ、名前はUIの表記と揃え、URLは正規URLを指定します。これだけでも一覧性が高まり、検索結果上の表示も安定してクリック判断がしやすくなります。

導入時は、全ページでパンくずの階層が妥当かを合わせて点検しましょう。カテゴリの粒度が粗すぎたり細かすぎたりすると、名称が曖昧になり迷子の原因になります。命名や順序は運用の中で定期的に見直し、実際のナビゲーションと矛盾しない形に保つことが、構造化データの効果を最大化します。

著者/監修/更新日の扱い

専門性や信頼性を裏づけるために、著者(author)、監修(reviewedBy)、公開日(datePublished)、更新日(dateModified)をJSON-LDに明示します。ページ上の表記と構造化データの値は一致させ、プロフィールや肩書も簡潔に添えると、読者にも機械にも伝わりやすくなります。更新は内容の修正を伴って行い、日付だけを頻繁に変える運用は避けましょう。

記事の種類によっては、所属組織(publisher)や画像(image)も重要です。監修者がいる場合は本文末にコメントを添え、構造化データにも反映します。最初は必須項目を正確にそろえることを優先し、慣れてきたら任意項目の充実で厚みを出すと、検索上の理解と信頼が一段と安定します。

7. 画像とメディア

画像や動画は内容理解を助け、印象も大きく左右します。正しい代替テキスト、サイズ指定、軽いフォーマットをそろえるだけで、読みやすさと表示速度はぐっと上がります。まずは基本の3点を整え、土台を固めましょう。

alt/寸法/レイアウトシフト対策

画像には必ずaltを付け、内容や役割を短く説明します。飾り画像は空altでもOKですが、意味のある図やスクリーンショットは要点が分かる文にしましょう。width/heightを指定してスペースを確保すると、読み込み中のガタつき(CLS)を防げます。

図のポイントは本文でも一言補足すると親切です。表は見出しセルthを使い、キャプションが必要な図は短く結論を書きます。これだけでスクリーンリーダーやモバイル表示でも理解しやすくなり、離脱の予防につながります。

フォーマット/レスポンシブ

写真はWebPやAVIFなどの軽い形式を選び、古い環境にはフォールバックを用意します。srcsetとsizesで解像度を出し分けると、端末に合ったサイズだけ読み込まれ、転送量を無駄にしません。LCP画像はpreloadで先に読み込むと体感が速くなります。

圧縮のかけ過ぎで文字が潰れないよう、見た目を目視確認しましょう。アイコンはSVGが便利です。大きなヒーロー画像は縦横比を保ち、遅延が安全な箇所はloading="lazy"を活用します。まずは主要ページから順に適用すれば十分です。

OGP/Twitterカード

SNSでの見え方はクリック率に直結します。og:title/description/image/urlをそろえ、Twitterカードはsummary_large_imageを指定します。画像は1200×630px以上を用意し、相対パスではなく絶対URLを使いましょう。記事ごとに内容と合う画像を選ぶと効果的です。

公開後はデバッガーでプレビューして、古いキャッシュを更新します。タイトルが長すぎる場合は短く整え、同じ文言の繰り返しは避けます。検索とは別の導線として、OGPを定期的に点検するだけでも集客の取りこぼしを減らせます。

8. 速度とCWV

表示速度や操作の軽さは、読者の満足度と検索評価に直結します。特にLCP・CLS・INPの3指標に着目し、画像の出し方やサイズ予約、スクリプトの扱いを整えるだけでも体感は大きく改善します。まずは重要ページから着手しましょう。

LCP(Largest Contentful Paint)

ファーストビューで一番大きく見える要素(多くはヒーロー画像や見出し)を素早く描くことが、体感の速さに直結します。LCP画像はpreloadで先読みし、適切なサイズに最適化。サーバー圧縮やキャッシュ、SSR/Prerenderで最初から本文をHTMLに含めると、初速が安定します。

効果の確認はPageSpeed InsightsのLCP値と、実利用データ(CrUX)が頼りになります。大きすぎる画像や不要なブロックを削る、初回に不要なJSを後回しにする、など小さな調整の積み重ねで確実に改善します。まずはトップや主要記事から順に対処しましょう。

CLS(Cumulative Layout Shift)

読み込み途中にレイアウトがガタつくと、読みづらく誤タップの原因にもなります。画像や広告、埋め込み要素にはwidth/heightを必ず指定し、プレースホルダで場所を確保します。Webフォントはdisplay: swapを使い、見た目が落ち着くまでの欠落(FOIT)を防ぐのが安心です。

遅延読み込みの要素は、出現前に十分な余白を準備します。レイアウトを後から変えるアニメーションや、挿入位置が前後するウィジェットは控えめに。CLSは小さな原因の合算で悪化するので、テンプレートでサイズ予約を徹底し、定期的にPSIで点検するのが近道です。

INP(Interaction to Next Paint)

クリックや入力の反応が重いと、せっかく読まれても離脱につながります。メインスレッドの負荷を下げるため、不要なJSは分割・遅延し、第三者スクリプトは数とサイズを厳選。重い処理はユーザー操作の直前ではなく、アイドル時間に先回りして準備するのが効果的です。

計測はPSIのINPや、ブラウザのPerformanceプロファイルで行います。イベントのハンドラが長い、同期的な処理が固まっている、といった“詰まり”を1つずつほぐしましょう。フォームやメニューなど、利用頻度の高い操作から優先的に軽くすると、体感の改善が早く進みます。

9. モバイル/UX

スマホで読みやすいことは、サイト全体の評価にも直結します。文字の大きさや行間、タップのしやすさ、入力のしやすさを整えるだけで、離脱が減り満足度が上がります。基本の見直しから着実に整えていきましょう。

ビューポート/ズーム/可読性

スマホでは画面幅に合わせた表示が基本です。viewportを設定し、本文は14〜16px相当を下回らないサイズに。行間と段落間に余白を取り、横スクロールが出ないレイアウトに整えます。固定幅の表や大きすぎる画像は、スクロールコンテナ化で読みやすさを保てます。

長い行は読み疲れの原因になります。見出しで章立てを明確にし、150字前後で段落を分けると負担が減ります。色のコントラストも点検し、明度差が小さい配色は避けます。まずはトップや主要記事で実機確認し、読みにくい箇所から優先的に調整しましょう。

タップ領域/操作性

指での操作を前提に、リンクやボタンは最小48×48pxを目安に配置します。要素同士の間隔をとり、固定ヘッダに隠れない導線に。ホバー前提のUIは避け、フォーカス時の見え方も用意して、誰でも操作を迷わない設計にします。重要なCTAは上下どちらにも置くと効果的です。

実機での操作確認が近道です。タップしづらい要素や、スクロールに合わせて揺れる部品は改善候補。アニメーションは控えめにし、画面の再配置が起きないよう配慮します。ユーザーの誤タップが減るだけで、回遊とコンバージョンの両方が安定します。

フォームUX/キーボード

入力は離脱の分岐点です。inputのtypeをemailやtelに設定し、適切なキーボードを出します。ラベルとエラー表示を明確にし、入力途中で値が消えない設計に。必須項目は最小限に絞り、オートフィルやプレースホルダで迷いを減らします。完了後の案内も忘れずに。

送信前に軽いバリデーションでつまずきを減らし、失敗時は具体的な改善ヒントを表示します。実機で「片手で入力しやすいか」を確かめ、長いフォームは段階分割も検討します。小さな手当ての積み重ねが、問い合わせや購入完了率を確実に底上げします。

10. 多言語/hreflang(該当時)

言語や地域ごとに内容を届ける場合は、ページ同士の関係を検索エンジンに正しく伝えることが大切です。hreflangとURLのルールをそろえるだけで、ユーザーに合ったページが選ばれやすくなり、重複評価の分散も防げます。まずは基本の2点を整えましょう。

hreflangの基本

複数言語版があるページ同士は、link rel="alternate" hreflangで相互参照します。日本語ならja、英語ならenのように言語コードを指定し、必要に応じて地域(ja-JP、en-US)まで付けます。どの言語にも当てはまらない入口用URLがあるなら、x-defaultを用意しておくと迷いを減らせます。

canonicalは各言語ページの自己参照にし、別言語に統合しないのが原則です。Search Consoleの「国際化」レポートでエラーが出ていないか確認し、片方向だけの指定やURLのタイポを丁寧に潰します。まずは代表的なページ群から始め、運用の型を固めましょう。

URL戦略

言語をURLで明確に示すと、解析や運用が格段に楽になります。おすすめはサブディレクトリ方式(/ja/、/en/など)です。ドメインを分ける必要はなく、既存サイトにも段階的に導入しやすいのが利点です。日本語と英語の内容差が大きい場合は、サイトマップも言語別に分けると管理しやすくなります。

ページ内のテキストは、翻訳だけでなく現地の表現に合わせて最適化します。ミックス言語は検索・読者ともに混乱のもとです。重要なナビやフッター、法的文言の統一も忘れずに。まずは主要動線と人気ページから対応し、効果を見ながら範囲を広げていきましょう。

11. ページネーション/ファセット/一覧の罠

一覧ページは便利ですが、設定次第で重複や評価分散の温床になります。1ページ目と2ページ目以降の扱い、絞り込みや並び替えの扱いを決めるだけで、巡回の無駄とインデックスの混乱を大きく減らせます。まずは基本の型を固めましょう。

ページネーションの扱い

一覧の1ページ目は正規URL、2ページ目以降は/page/2/のように固有のURLを用意します。ページごとの内容が大きく重ならないよう、カード順や見出し、説明の重複を減らす工夫が有効です。前後ページへの内部リンクを明示し、ユーザーもクローラーも迷わない導線に整えます。

以前使われていたrel=prev/nextは現在は必須ではありません。Search Consoleでインデックス状況を見ながら、不要なページが増えていないかを点検しましょう。1ページ目に評価を集めたいときは、記事への直リンクや特集への誘導を強化し、一覧の価値を補強します。

ファセット/フィルタ

色や価格、タグなどの絞り込みは、条件の組み合わせでURLが爆発しがちです。基本はインデックス対象にせず、元URLへ正規化(canonical)し、必要ならmeta robotsでnoindexを付けます。サイトマップには登録せず、内部リンクでもむやみに露出させない設計が安全です。

どうしても検索対象にしたい重要な絞り込みがある場合は、固定の静的URLを用意し、内容が独立したページとして成立させます。クロールレポートでパラメータURLの比率を監視し、増えた条件は制御・統合していくと、巡回の無駄と評価の分散を抑えられます。

12. ログ/監視/運用

よい設定も放置すれば崩れます。週次の振り返りと、壊れやすい箇所の自動監視を仕組みにすると、回帰を早期に防げます。まずは見るべき指標を決め、簡単でもいいので定例と通知を整えるところから始めましょう。

週次モニタリング

毎週、Search Consoleでカバレッジ(有効/除外/エラー)、サイトマップの処理状況、主要クエリとページの推移を確認します。PageSpeed InsightsではCWV(LCP/CLS/INP)を点検し、悪化が続く指標はチケット化。4xx/5xx、ビルド失敗やリンク切れも合わせてチェックします。

短期の上下に振り回されず、数週間の傾向で判断するのがコツです。気づきをダッシュボードやメモに残し、定例でチーム共有します。次の一手は「効果の大きさ×実装のしやすさ」で優先付けし、小さく回して検証します。この習慣化が長期の成果に直結します。

自動化

属人化を避けるために、サイトマップ生成、リンクチェッカー、ビルド監視、メタ/構造化データのlintなど、壊れやすい部分から自動化します。CIで失敗時に通知するだけでも、対応速度は大きく変わります。まずは「落ちたら困る箇所」から仕組みにしましょう。

自動修正は範囲を限定し、最終判断は人が行うゲートを残します。運用で学んだ改善点はテンプレートやチェックリストに還元し、次回以降のミスを未然に防ぎます。小さな自動化の積み重ねが、品質の底上げとスピードの両立につながります。

付録A. サンプル設定(コピペ可)

robots.txt

User-agent: *
Disallow: /admin/
Disallow: /search
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml

.htaccess(/mediaのSPA+/jinzai除外)

Options -MultiViews
DirectoryIndex index.html
RewriteEngine On
RewriteRule ^jinzai/?$ jinzai/index.html [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -f [OR]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} -d
RewriteRule ^ - [L]
RewriteRule ^jinzai/ - [L]
RewriteRule . index.html [L]

Article JSON-LD 雛形

{
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  "@type": "NewsArticle",
  "headline": "タイトル",
  "image": ["https://example.com/ogp.png"],
  "datePublished": "2025-09-12T00:00:00+09:00",
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  "description": "要約"
}

付録B. スプリント計画テンプレ

項目: (例)XMLサイトマップ分割
狙い: 重要URLの発見性向上
受け入れ基準: 更新24h以内にlastmod反映、404/3xx含まない
担当/RACI: Dev(実装)/SEO(レビュー)/PdM(承認)
期日: yyyy-mm-dd
依存/リスク: (例)生成スクリプト改修
状態: 未着手/進行中/完了
水間 雄紀の写真

監修者

水間 雄紀
代表取締役CEO

株式会社AIMA代表取締役、AIライター協会理事長。AIを正しく使い、日本の企業が抱える課題解決とさらなる発展・成長に尽力。

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