ChatGPT・ClaudeのAI費用を無料で一元管理 マネーフォワード新サービスの使いどころ

- マネーフォワードは、ChatGPTやClaudeなどの利用量と費用をツール・モデル・利用者別にまとめる法人向けサービスを始めた
- マネーフォワードIDがあれば無料で使え、API連携やCSVで取り込んだデータを期間比較できる
- 会社は費用だけでなく、利用者数、削減時間、売上や品質も並べれば、重複契約と使われない契約から見直せる
複数のAI費用を、会社全体でひとつの表にする
マネーフォワードは2026年8月17日、法人向けの「マネーフォワード クラウドAIトークン管理」を発表しました。ChatGPTやClaudeなどのAIツールについて、利用量と費用をダッシュボードへ集め、ツール、AIモデル、利用者ごとに確認できるサービスです。マネーフォワード クラウドの契約がなくても、マネーフォワードIDを取得すれば無料で利用できます。
API連携やCSVなどでデータを取り込み、ChatGPTやClaudeなどのAIツールやLLMモデル、ユーザーごとに利用量を確認できます。また、期間比較することでAI利用コスト増加の要因を特定しやすくなります。
出典:マネーフォワード公式発表
公式の製品ページはChatGPT、Claude、Cursorなどへの対応を案内しています。会社で生成AIを使い始めると、月額契約、APIの従量課金、部署ごとのカード決済、社員の立て替えが別々に増えます。今回の製品が狙うのは、請求書を集めた後の経理処理だけでなく、どのツール、モデル、利用者が費用を増やしたかまで遡れる状態です。
発表の背景には支出の急増があります。同社のビジネスカードにおけるAI関連決済額は、2025年6月から2026年6月の1年間で4.47倍になりました。製品ページでは、別の集計期間である2024年11月から2026年5月に約18倍と説明しています。比率の期間は違いますが、AI支出が管理表の整備より先に膨らんでいる流れは共通しています。
各社の管理画面をまたぐことが、新製品の価値になる
OpenAIとAnthropicにも、自社APIの利用量や費用を見る公式画面があります。OpenAIは組織やプロジェクト単位で費用を確認し、CSVへ書き出せます。ただし公式ヘルプは、複数の組織をまたいだ費用をダッシュボードで統合できないと説明しています。Anthropicもモデル、ワークスペース、APIキーごとの利用量と費用を表示できますが、個々の利用者別には分けられません。
| 管理方法 | 見える範囲 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| OpenAI・Anthropicの公式画面 | 各社サービス内のAPI利用と費用 | モデルやプロジェクトの細かな運用確認 |
| クラウドAIトークン管理 | 複数AIを横断したツール・モデル・利用者別の集計 | 会社全体の重複や増加要因の確認 |
| 会計・カード明細 | 実際に支払った金額 | 請求照合と予算統制 |
編集部は、今回の製品を各AI会社の管理画面の代替ではなく、その上に置く横断台帳とみます。各社の画面は技術担当者が原因を掘る場所として残し、横断画面は経営・管理部門が契約の重複や増加傾向を判断する場所になるからです。もし対応サービスや取り込める契約形態が限られ、CSVの手作業が大きければ、この役割は単なる集計表に縮みます。
専用カードを併用すると、見える化から支出制御へ進める
同社は「マネーフォワード ビジネスカード」をAIツール専用の決済手段にする運用も提案しました。バーチャルカードを分け、支払先を承認済みのAIツールへ限定し、上限額を設定すれば、用途外の決済や予算超過を止められます。トークン管理とカードはそれぞれ単独でも利用可能です。
ここは「無料」の範囲を分けて読む必要があります。AIトークン管理はマネーフォワードIDで無償です。ビジネスカードも初期費用と年会費は原則無料ですが、製品ページには、2年目以降で直前1年間に支払い実績が一度もない場合、年会費1,000円と税がかかるとの条件があります。
また、カード統制が効くのは、そのカードを通る支出です。請求書払い、販売代理店との一括契約、社員の別カード、既存のクラウド契約に含まれるAI機能まで自動的に止める仕組みとは確認できません。会社はカードを発行する前に、AI契約の一覧、契約責任者、支払経路、更新月を洗い出し、どこまでを専用カードへ寄せるか決める必要があります。
費用の見える化を、AI投資の成績表と混同しない
トークン数と支出額が分かっても、AIが仕事の成果を生んだかは別の問題です。たくさん使った部署が高い価値を出したとは限らず、利用量を減らした結果、品質や顧客対応が悪化することもあります。公式発表も投資対効果の最大化を掲げますが、売上、削減時間、品質まで製品が自動測定するとは説明していません。
| 同じ月次表に置く数字 | 確認したいこと |
|---|---|
| AI費用、利用量、利用者数 | 誰がどのツールを使い、何が増えたか |
| 有料契約数と月間利用者数 | 契約したまま使われていない席がないか |
| 処理時間、再作業、問い合わせ | 速さと品質が同時に改善したか |
| 売上、受注、解約、顧客満足 | AI利用が事業成果へつながったか |
導入する会社は、まず2カ月分を試験的に集めると判断しやすくなります。初月に契約と支払経路をそろえ、翌月にツール別・利用者別の変化を見る。そのうえで、同じ用途の重複契約、利用者が少ない有料席、費用だけ増えて成果指標が動かない使い方から見直します。全社一律の利用上限を先に置くより、用途ごとに残す価値を確かめる順番です。
連携範囲とデータの扱いは、導入前に確認が要る
8月18日時点の公式発表と製品ページでは、サービス別にどの契約プランを取り込めるか、月額席の料金とAPI従量課金をどう結び付けるか、更新頻度、保存期間、管理者権限、取り込んだ利用データの安全管理について詳細を確認できません。ChatGPT、Claude、Cursorなどへの対応は示されていますが、各サービスで取得できる粒度が同じだと断定してはいけません。
申し込み前には、利用中のAIサービス名だけでなく、月額契約かAPIか、個人契約か法人契約かを一覧にします。その表を担当窓口へ示し、対応するデータ、連携方法、過去データの範囲、閲覧権限、解約時の削除を確認してください。無料で始められることは試しやすさにつながりますが、会社の支出判断に使えるかは、自社の契約がどこまで同じ粒度で見えるかで決まります。
※ 本記事は公開時点の一次情報にもとづいています。最新の状況は出典をご確認ください。
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監修者:水間 雄紀
株式会社AIMA 代表取締役
1986年和歌山県生まれ、近畿大学卒。金融機関、経営コンサルティング会社を経て、2018年にコンテンツ制作の専門会社である株式会社circlizeを創業。2024年、ラグザス株式会社に事業譲渡。現在は株式会社AIMAにてAI×マーケティング事業に従事し、株式会社ラグザス・クリエイトでコンテンツの品質管理責任者を務める。
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